仮想内視鏡・内視鏡検査
仮想内視鏡
CTによる仮想大腸内視鏡検査
仮想大腸内視鏡検査(大腸CT)は、内視鏡を大腸の中に入れることなく、最新のCT装置で大腸を撮影し、映像をコンピューター処理することで、まるで内視鏡で腸の中を観察したかのように調べる検査です。仮想大腸内視鏡検査では、比較的楽にまた安全に大腸を調べることができます。
検査について
検査前日
仮想大腸内視鏡は、大腸内視鏡検査と同様、腸の中をカラッポにする必要がありますので、下剤の前処置が必要になります。準備として前日にきめられた残渣の少ない食事(低残渣食キット)を摂り、下剤を飲み大腸をきれいにします。(一般の大腸検査と同じです。)
検査当日
CTの台に寝て、腸の動きを抑える筋肉注射をした後、お尻より空気を入れるための細いゴムの管を挿入し、そこから空気を送り大腸を膨らませて、うつぶせ・あお向けの2方向で撮影を行います。検査自体は5分~10分程度で終了します。その後、コンピューターを使い、画像処理をし、診断します。
検査の流れ
- 撮影前に腸の動きを抑える注射をします。
- 細いチューブを肛門から挿入し、空気等を注入し大腸を拡張します。
- CTを撮影します。10~20秒程度の息止めで、うつ伏せと仰向けの2回撮影を行うだけで検査終了です。
- CTで撮影した画像をもとにコンピュータ処理を行い、仮想内視鏡像を作成し、病変の有無を確認し診断を行います。
長所
- 短時間(最短で約15分程度)で検査ができる
- 大腸内視鏡検査と比べ苦痛が少ない
- 大腸内視鏡の挿入が困難な方でも検査が容易
- 他の大腸検査で問題となる合併症が極めて稀である
- 3次元的に観察できるため、大腸全体像や病変の形状を正確に把握可能
- 腹部全体を撮影するため大腸以外の臓器情報も把握できる
- 大腸の形や他臓器との位置関係が把握できる
短所
- 組織の採取ができないため、異常が検出された場合は大腸内視鏡を受けることが必要
- 大腸粘膜面の色の変化が観察できない
- 平坦な腫瘍は見つけにくい
- 検査のみでポリープがあっても切除できない
仮想大腸内視鏡検査例
内視鏡検査
上部消化管内視鏡検査
内視鏡検査では、食道・胃・十二指腸・大腸などの疾患を発見することができます。
その中でも特に「がん」の早期発見に非常に有効な検査です。自覚症状のない方でもピロリ菌感染症のある方や萎縮性胃炎と診断された方は年に1度の内視鏡検査が必要です。
上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査とは、先端にカメラがついた細長い管を口から挿入し、食道や胃などを直接観察する検査です。当院では、口からの他に鼻から挿入する内視鏡検査(経鼻内視鏡)を積極的に行っています。鼻から挿入することによって敏感な舌根部や咽頭への内視鏡による刺激を極力避けることができ、不快感をできる限り少なくして検査を受けることができます。
鼻からの検査の短所としては、まれに鼻出血や鼻の痛みを訴えられることがあります。
※静脈麻酔で寝ている間に検査を行うこともできます。ご希望の方はスタッフにご相談ください。
甲北病院では、2024年3月16日に新しい内視鏡を導入しました。
- 経鼻内視鏡の直径はわずか5.9mmで、スコープの素材が柔らかいため患者様の不快感が軽減します。
- 送水装置で大量の流水による高速洗浄ができ、より鮮明に見えます。
- AI搭載で、人間の眼ではわかりにくい微小病変を見つけやすいです。
AI画像診断システム「CAD EYE」
病変を疑われるエリアを検出BOXで囲み画面上に示してお知らせます。
下部消化管内視鏡検査
いわゆる大腸カメラです。大腸の検査も痛い、しんどいなどの苦痛を訴える患者さんが多いですので、当院では100%すべての患者さんに静脈麻酔で眠っていただき、眠っている間に検査が終わるようにしています。検査を受けられた方は、検査を受けたことすら覚えていないままに検査が終了しています。検査後はしっかりと目が覚めるまで休んでいただき、その後検査の説明をしてから帰宅していただいています。